知ってるようで知らない? プリンターの「トナー」に関する豆知識

知ってるようで知らない? プリンターの「トナー」に関する豆知識

皆さん、こんにちは! ロングテイルドの店長オカピです。

オフィスや自宅で活躍するレーザープリンター。その印刷に欠かせないのが「トナー」ですよね。でも、トナーって一体何でできているの? インクとは何が違うの? と聞かれると、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。

今回は、そんな身近だけど奥が深い「トナー」に関する、ちょっと面白い豆知識をいくつかご紹介します!

1. トナーは「インク」じゃない!最大の違いは「粉」であること

一番の基本ですが、トナーはインクジェットプリンターで使われる液体の「インク」とは全くの別物です。トナーの正体は、非常に細かい「粉」なのです。

インク: 染料や顔料を液体(水や溶剤)に溶かしたもの。紙に染み込んで定着します。
トナー: 主にプラスチック(樹脂)の微粒子。これに色をつける顔料や、静電気を帯びやすくするための添加剤などが混ぜられています。紙の上に”乗って”熱で溶けて定着します。
材質も仕組みも、全く異なるものなんですね。

2. 静電気と熱で紙に定着! レーザープリンターの仕組み

では、粉であるトナーがどうやって紙に文字や画像を形成するのでしょうか? レーザープリンターの中では、こんなことが起こっています。

感光ドラム: プリンター内部にある筒状の部品「感光ドラム」の表面全体に静電気を帯電させます。
露光: レーザー光で、印刷したい文字や画像の形にドラム上の静電気を除去します。(静電気の”絵”を描くイメージ)
現像: 静電気の”絵”が描かれたドラムにトナーを近づけると、静電気が残っている部分(=印刷しない部分)には反発し、除去された部分(=印刷したい部分)にトナーが付着します。
転写: トナーが付着したドラムを紙に押し付けると、紙の裏側から逆の電気をかけることで、トナーが紙に移ります。
定着: トナーが乗った紙を、熱と圧力をかけるローラーに通します。すると、トナーの主成分であるプラスチックが溶けて、紙の上にしっかりと定着(=印刷完了)!
静電気と熱を巧みに利用した、ハイテクな仕組みなんです。

3. 主成分はプラスチック? トナーの中身をもう少し詳しく

先ほども触れましたが、トナーの主成分は「熱可塑性樹脂」という種類のプラスチックです。ポリエステルなどがよく使われます。熱を加えると溶けて、冷えると固まる性質を利用して、紙に印刷を定着させているわけです。

黒トナーの場合は「カーボンブラック」という炭素の微粒子が、カラートナーの場合はシアン・マゼンタ・イエローの各色の「顔料」が、着色剤として混ぜられています。

その他にも、トナー粒子がきれいに帯電したり、サラサラと流動性を保ったりするための様々な添加剤(ワックス、帯電制御剤など)が含まれています。

4. ミクロの世界! トナー粒子の細かさが画質を決める

トナーの粒子は非常に細かく、その直径は約5~10マイクロメートル(1マイクロメートル=1/1000ミリメートル)程度。髪の毛の太さ(約80マイクロメートル)と比べても、その細かさが分かりますね。

この粒子が細かく、形が均一であるほど、より高精細で滑らかな印刷が可能になります。メーカー各社は、より高品質な印刷を実現するために、このトナー粒子の製造技術にしのぎを削っています。

5. 取り扱い注意! 粉だからこその注意点

トナーは細かい粉末なので、カートリッジ交換時などにこぼしてしまうと、掃除が大変です。舞い上がりやすく、衣服やカーペットにつくと取れにくいことも。

もしこぼしてしまった場合は、掃除機で吸うのはNGです。掃除機の排気でトナーがさらに舞い上がってしまう可能性があります。できれば、湿らせた布などで静かに拭き取るのがおすすめです。

また、大量に吸い込むことは健康に良くないとされています。交換作業は落ち着いて行い、換気にも気を配ると良いでしょう。

6. 環境への配慮も。トナーカートリッジのリサイクル

使用済みのトナーカートリッジは、多くのメーカーが回収・リサイクルプログラムを実施しています。カートリッジの部品を再利用したり、材料としてリサイクルしたりすることで、ゴミの削減や資源の有効活用につながります。

お使いのプリンターメーカーのウェブサイトなどを確認し、ぜひリサイクルに協力しましょう。

いかがでしたか? 普段何気なく使っているトナーですが、その小さな粒子には様々な技術や工夫が詰まっていることがお分かりいただけたかと思います。

次回プリンターを使うときは、この小さな粉の活躍に少し思いを馳せてみるのも面白いかもしれませんね!

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